Area-TAKU

DIARY

1999/11/09(月)

伊勢佐木町ミステリーゾーン
その店は伊勢佐木町の奥まった路地にある。

この頃はだいぶオシャレになってしまった伊勢佐木町。
しかし、ずっと奥まで行って、一歩路地に入ると、
そこはまるでラーメン博物館の世界だ。
特に夜中は、
昭和30年代の古びた街並と、一種独特の怪しい雰囲気が
通る人をミステリーの世界へ、いざなってくれる。

倒れている酔っ払い、ゴミあさりの野良猫、そして街角に立つ女達。
どれも繁華街裏路地にはおなじみの光景なのだが、
なぜかここでは、どのシーンもセピア色で、どこかもの悲しい。

この街で今日もまた、さまざまな路地裏人間模様がくりかえされている。


そんな奥伊勢佐木のオンボロな映画館脇の路地にあるレストランコトブキ。

店の人には失礼なのだが、
バラックのような外観、店先のショーケースにはホコリまみれの蝋見本。
中に入ると、オレンジ色の合板のテーブルにビニールの椅子。
テーブルの上には、コインを入れると占いが出てくる灰皿が
やけに“モダン”な銀色を放っている。

無造作に置いてあるメニューに目をやると、
スペシャルという\500-のおすすめ定食を筆頭に、
あるわあるわ和洋中ゴチャゴチャの5-60品目の定食、一品料理。
ハンバーグらにまじって、刺身さえ、サシミとカタカナで書かれていた。(^_^;)
どれもがばかに安い。

時計を見ると、夜中の2:00。
ここは、24時間営業である。
そのせいか、客層もバンラバラ。
でもやはり、夜中はどの客も寂しげで、みんなセピア色の世界の住人。

接客のおばさんはとてもカンジの良い人だ。名前は知らない。
勘定をすませる時も「まいどぉ。またよろしくお願いしますね!」と
明るい声と笑顔が気持ちいい。
たぶんみんなそのおばさんの雰囲気でまたここに来てしまうんだろうと思う。

人生に疲れ、人間関係に破れ、生きる希望を失いそうになった人々が、
そのおばさんの笑顔とあったかい定食を求めて夜中にここを訪れる・・・
ここはそんなレストランだ。


しかし・・・
世にも不思議な事があるのだ!

そのおばさん・・・いつ行ってもいるのだ・・・24時間。

もしかしたら・・・

彼女は本当の天使なのかもしれない・・・


TAKU





   DIARY INDEX
| ホーム | 横浜銀蝿 | TAKU |



ご意見/ご質問 etc.はtaku@Area-TAKU.comまでメール下さい。

Produced by TAKU for N.A.P