仏恥義理男塾 デジヤン

-デジタルヤンキー 仏恥義理男塾- 第34回


必勝!不良講座
ヤクザ映画に学ぶ!



横浜銀蝿 -デジタルヤンキー 仏恥義理男塾- DiGi/USER 4月号原稿

《タイトル》

必勝!不良講座
ヤクザ映画に学ぶ!

《本文》

きなりで何なんだが、
俺は最近、実録モノヤクザ映画ハマっている。
映画っつってもレンタルビデオなんだけどね。

本来ヤクザ系のビデオなんて全然興味のなかった俺ではあるが、
先日、自分のバンドのボーカルが、
ヤクザ映画の主演をしたので、
仲間の主演じゃ観ないわけにもいかず、
それまで洋画一辺倒だった俺も、
とにもかくにも
『実録 瀬戸内やくざ戦争 伊予路水滸伝』
というすっごいタイトルの、その主演の作品を観たというわけだ。

正直、ヤクザ映画はそれしか観たことがなかったので、
いったいこれが、いいんだか悪いんだかがわからず、
非常に判断に困った俺。
じゃあどうせならってことで、
それ以来、ヤクザ系のVシネマを片っ端からレンタルしまくった・・・。

おかげで数週間、
観るものといえばヤクザもののビデオばかり。(^-^;
おかげで今では、ちょっとした通(←ルビ:まにあ)かもしれない。

最初は、所詮ど〜せB級公開落ち作品ばっかだろ?とか
ハナからナメていたのであるが、
ころがどっこい、いいんだわこれが。
なぜかとてもクセになる、不思議な世界であった。
そんで知らんうちにバッコリはまってしまった俺。

しかし誤解しないでもらいたい。
いくら俺でもこの歳になって、
なにもヤクザに憧れてヤクザ映画を観ているわけではない

じゃ、どして好きかっていうとだな。

俺は以前にもここに書いた通り時代劇好きだ。
特に歴史モノは、劇画・小説・テレビ・映画を問わずよく観る。
男の教科書とさえ思っている。

きっと俺は、なんか知らんが、
時代劇と共通の何かをヤクザ映画に感じているんだと思う。

それにしてもほれ、あれはまじ、チョンマゲのない時代劇だよな。
実録モノは特にそう。
舞台が終戦後の混乱期って作品が多いのもあるだろうけど、
漢(←:おとこ)とは?武士(←ルビ:さむらい)とは?極道とは?とは?
そして、とは野望とは?みたいなことや。
人間関係のしがらみ、敵と味方、タテマエとホンネ、生と死みたいなとこの、
実際男として生きてると、避けては通れない部分を、
非常に極端でわかりやすい舞台設定で、明快に表現してくれる。

そんな部分が、俺にとってバシっとくるんではあるまいか?

ただ、をいえば、
制作する会社が限られているのでしかたないんだけど、
どれもこれも同じような役者
同じようなキャラで出演しているので、
俺のように、ドッとまとめて観てしまった場合、
非常に頭が混乱するってことと、
たいがいの作品がシリーズ化を狙っているので、
話が完結せず中途で終わっちまうってことだ。

ただでさえ、ヤクザ映画には似たような登場人物が多い
しかも当然、みんなヤクザの役だ。
普通物語に出てくるイイモン悪役ってのは、
見ればひと目でわかるようにはっきりキャラ分けしてあんじゃん?
とっころがヤクザ映画は、イイモンもヤクザだし、悪役もヤクザ
台詞は関西弁だし、はっきり言ってどっちも怖いし、
ガラも人相もどっちも悪い
そもそも一般常識で言えば、どっちも悪役なのだ。

だからどんな作品も、敵味方の舞台設定をはっきり定義するために、
必ず何々組系何々組の誰々みたいな字幕スーパーが、
各自の最初の登場シーンで出るのだが、
観てそれを一度に全員分記憶するのさえ大変なのに、
同じ役者が似たような別の映画で、
また違うヤクザ役なもんだから、
何本か観たらそれはもう大変。
どれがどの映画だったか、頭の中はもうゴチャゴチャである。

そいえば時代劇もそうじゃん?
どっかの作品で織田信長をやってた役者が、
今度次の作品で明智光秀だったりとかさ、
そんな極端じゃなくても、同時代の別の人として出演とかされると、
非常に困惑するのは、俺だけではなかろう。
まぁどっちにせよ、日本の俳優は人材不足ってことだな。

役者の話でいえば、俺の好きなのは、
ありきたりで申し訳ないが、やっぱ竹内力
そんで小沢和義ってとこかな。

ていうか、俺の一番好きな作品が、
『実録 柳川組』シリーズだからなんだけどさ、あはは。

俺なりに思うのは、
いいヤクザ役の主役の条件ってのは、
ただ怖いだけ、ただ凄みがきくだけじゃなくて、
若者時代には、鼻っ柱強くて生意気だけど、男気あって、が通ってて、
でもとっても素直で可愛い部分、つまり親分達が、
こりゃ目をかけて可愛がるにきまってるだろみたいな魅力を持ち、
そんで、食って兄貴分や親分になる頃には、
持ち前の度量に、それ相応な貫禄つけて、
子分がおもわず惚れて命を預けたくなるようなの人物を演じることができる・・・
それが絶対だと思ってるんだけど、
竹内力はいいよねえ。そいった意味ではとてもチャーミングだ。
あと他の主役級では、清水健太郎も別な意味でさすがだと思う。

さっき、『実録 柳川組』シリーズが好きだと書いたが、
なんだけれど、それに出てくる立川孝一郎役の小沢和義すっごくいいよ。
シリーズ2作目なんか、も〜めちゃめちゃカッコイイ。

俺が思うに、日本映画界は今後、CGビシバシ使って、
忍者ヤクザ芸者だけで世界と勝負すりゃいいんだよ。
アニメはともかく、実写でハリウッドに対抗するにはそれっきゃないでしょ?

とにかく、今までヤクザ映画の世界をまるで知らなかった諸君がいたとしたら、
是非一度ご覧になることをお薦めする。
できれば俺のように、ゴソっとまとめて制覇するのだ。

時代劇もそうだが、ヤクザ映画も、観方によっちゃあ、
絶対に自分の生き方に刺激を与えてくれるはずだ。

ところで何も俺は、
暴力を提唱したり、犯罪を助長しようとしてるわけじゃないのよ?
その中に描かれている男達の心意気を言ってんだからな。
誤解すんなよ。
っていうか、ヤクザ映画観ても余分なところで感化されんなよお。

というわけで今夜も実録モノを4本借りてきている俺。
今からさっそく、任侠の世界へ出発だ。
ぶははは。


-了-


《今月のお薦めサイト》


○ 竹内力 実録 柳川組 紹介
一番のお薦め作品の紹介です。
もうそろそろ完結編もリリースされるはずなので、
全作制覇してみ。いいから。

○ ヤクザムービーコレクション
お。こいったサイトもあるんだな。
『ヤクザ映画の基礎知識』も参考になるかもよ?

○ 警察用語隠語辞典
この手の映画には、隠語バカバカ出てきます。
ご参考までに・・・

○ 暴力団ミニ講座
暴力団についての知識あれこれです。







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