-仏恥義理男塾- 第32回
必勝!不良講座
ツッパリHigh School Rock’n Roll(登校編)
横浜銀蝿 -仏恥義理男塾- DiGi/USER 2月号原稿
《タイトル》
必勝!不良講座
ツッパリHigh School Rock’n Roll(登校編)
《本文》
いきなりで何なんだが、もう今年も残りあと僅か。
みなさんにはどんな一年だったですか?
不景気だし、あいかわらずあんまおめでたくないNewsが目立つ
今日この頃ではあるが、
しかし男たるもの、
こ〜ゆう時こそカラツッパリが大切なのだ。
“武士は食わねど高楊枝”
だはは。その心意気で元気良く行こうではないか。
そいえばここんところ、
イラクの話と北朝鮮の話がマスコミに登場するが、
俺の場合、朝鮮と聞くと、
なぜか高校生時代の登下校を思い出す。
そう、トラウマとでもいいましょうか(笑)。
登下校時の恐怖体験の記憶だな。
人間不思議なもんで、
自分がやった数々の暴力は、けろっと忘れてるくせに、
反対にいぢめられた経験は、しっかり覚えているのだ。
そう・・・恐怖の“朝高(←ルビ:ちょうこう)”の記憶である。
あ 先にことわっておくが、
俺は別に人種差別や
特定の国や学校の人々への偏見で、
これを書いているのではない。
朝鮮や韓国の知り合いもいるし、
キムチも焼肉も好きだし、
ワールドカップでは韓国応援したし、
韓国の女性とつきあってたこともある。(^-^;
よって、これは単なるガキの頃のエピソ〜ドなので、
そのつもりで読んでいただきたい。m(__)m
とにかく学生時代。“朝高”は恐かった。
普通、電車や駅でのツッパリとのトラブルは、
前置きっていうか、イントロがある。
ケンカやイザコザにも段取りがあって、
例えば、すれ違う、目と目が合う、
「てめ〜どこだ?」とかのやりとりがあってから、
ゴチャゴチャと始まるのが常識だ。
お互い、無駄なケンカや、しなくてもいい怪我は嫌だし、
知り合い関係かもわかんね〜し、モメたらやばい相手ってのもあるし、
相手の力を見極めるって意味もあって、
その段取りがとっても大切だったりするのだが、
ところが・・・俺の体験で言わしてもらえば、
相手が朝高の場合、その段取りが省略されていた。
ていうかいきなりくる。
俺が一人で駅にいる。
柱に寄りかかって電車待ってる。
そばを3人の朝高が通りかかる。
ん?・・・次の瞬間、いきなりボコボコにされる・・・
イントロなんてない。
電車がホームに入ってくる。
ドアが開いたので、なにげに乗り込む。
あ・・・中には朝高だらけ。
いきなりボコボコにされ次の駅で、おっぽり出される・・・
これも段取りなんてなかった。
しかもあいつら、
そういう段取りシカトで、手当たり次第狩ってるので、
狩った相手の顔なんていちいちおぼえちゃいない。
次に遭遇した時も、初対面として狩られる。
ある日五反田の駅で、朝高に追われたヤツが、
相手を文鎮で殴って逃げたことがあった。
ちなみに駅近くの立正(五反田にある高校)のヤツなんだけど、
そいつはどうにか無事に逃げれたから、いかったらしい。
しかし後が大変、
五反田を通る他のみんなは大迷惑である。
それからしばらくは、登下校時、五反田駅は朝高だらけ。
通るツッパリは学校に関わらずみ〜んなやられた。
おかげでそこで乗り換える、
その事件にはま〜るで関係ない俺まですげ〜とばっちり・・・まいった。
とにもかくにも、朝高は恐怖であった。
高校生にとっては、北も南もなく。
朝高であろうが、韓学であろうが、同じ恐怖の“ちょうこう”だった。
今はどうだか知らないが、俺の時代は、
腕に自信があろうがなかろうが、国士舘とか以外の生徒は、
み〜んな遭遇を避けていたのではなかろうか?
ところが高1の終わりごろのある朝、
とっても貴重な体験をすることになった。
大寝坊で、いつもよか1時間も遅く家を出た俺。
駅までの道を歩いていると、前方にツッパリ一人。
あのガクラン・・・あの歩きかた。
うわ・・やばし?・・・
でも、ん?・・・もしかして?・・・
そう、それは幼なじみの焼肉屋のせがれ、
せいちゃんだった。
せいちゃんは小学生時代のいっこ上の友達。
だから、だぶっていなけりゃ高2だろう。
でも学区が違うので、それ以降も先輩後輩の関係じゃない。
小学当時は、家にも泊まりにいってたし、
5年生の時にオナニ〜とか教えてくれたのも、このせいちゃんである。
まさに幼なじみ。すんげ〜久々だ。
「せいちゃん、ひさびさじゃん。元気?」
「お〜 た〜ちゃんか。小学校以来だな。」
という訳で、一緒に電車に乗ることになったのだが・・・
彼の制服のバッジを見て一瞬引いた俺。
そう、せいちゃんは在日韓国人。
そして学校は・・・もちろん、あの韓学である。
当時の韓学のバッジは非常にわかりやすい。
だって、そのまんま国旗が襟についているから。
電車が来た。いつもの俺の時間よりか中は空いているが席はいっぱい。
俺とせいちゃんは、立ったまま話に盛り上がっていた。
なにげに隣の車両にツッパリの軍団がいるのを察知していた俺だが、
でも、せいちゃんとの話に意識を向けていた。
五反田から出た山手線が目黒との中間にさしかかった頃、
突然せいちゃんが言った。
「た〜ちゃん。立ってるの疲れたから座り行こうよ」
「え?席ないじゃん」
「・・・」
無言で動き出すせいちゃん。
一瞬、いやな予感がしたんだが、
いきなり大股で隣の車両に入っていくせいちゃんの後を追う俺。
やはり・・・予感は的中。
せいちゃんは、そのまま隣の車両に座っていたツッパリ軍団のとこに行った。
相手総勢8人。こっち2人・・・ぐはは。
時間が違うので、全然見たことない制服。
向こうもこっちに気がつき、顔つきが変る。
途端に殺気立つ車内。
なんだまた朝からケンカかぁ?・・・俺、すでに大遅刻なんですけど・・・
とか思いながら、でも、まぁしかたね〜かと戦闘モードに入る俺。
しかし、そのまままん中に座ってるヤツの前まで行ったせいちゃん。
静かに一言。
「どけ・・・」
時間が止まる。無言でにらみ合っているせいちゃんと相手。
俺は、お 始まるかな?と、つぶしたカバンを右手に持ちかえた。
ところが、おっかしなことが起こった。
相手が黙ってそのまま、
みんなしてゾロゾロと隣の車両に行ってしまったではないか・・・。
ほえ?・・・どしたんだ?・・・途端に拍子抜けする俺。
一瞬殺気だち、立ち上がろうとした相手だったが、
すぐに、せいちゃんの襟のバッジに気がついたらしい。
「た〜ちゃん。席空いたよ。」
と、顔文字みたいな笑顔(^-^)で、
ドカっと一列まるまる空いたイスの真ん中に座るせいちゃん。
「・・・う・うん。」
俺もあっけにとられながら、とにかく着席。
いやはやなんと。すごい威力。
まるで水戸黄門の印籠のようだった。
しかし、そんなせいちゃんも、
時には国士舘におっかけまわされ、ボコボコにされたりもするらしい。
結局は、みんな色々あんだなってかんじ。
余談ではあるが、せいちゃんはその後、演歌歌手としてデビューした。
ヒットも出たが、歌手としてよりも、
すんげ〜歳上の、とあるSEXY大女優との結婚で有名になった。
元気してるかな?
やはり、高校時代の登下校はドラマである。
ガキの頃はガキの世界なりに色々あったなぁとか思う。
でもさ、
大人になってから笑える範囲でやんちゃする分には、
それはそれでぜんぜんおっけいだと俺は思う。
・・・けどなんてったって平和が一番だけどな。
だはは
-了-
《今月のお薦めサイト》
○ ネットケンカ道場
ネットでのトラブルはよくあることです。そんな時の為に・・・
○ 日本暴走族伝説
うわ、集会の動画まであるぞ。なかなか気合の入ったサイト。
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あはは。用語集、よく読むとなかなか面白いです。
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世の中のあらゆる言葉を暴走族風の言葉「族言葉」に変換してしまうページだそうです。
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