ぶっちぎりインターネット

第17回『性別のワンダーランド 編』




横浜銀蝿『ぶっちぎりINTERNET』DiGi/USER 10月号原稿

《タイトル》

性別のワンダーランド 編

《本文》

いきなりで何なんだが、前回メルアドの話題で、
ネット上ではみ〜んなが多重人格だって話をしたわけだけれども、
その中でも最も極端な例ってのが性別の詐称
つまりネカマネナベだ。
(みなさんもご存知だとは思うが、ネット上のオカマやオナベの事ね)

チャットや掲示板、メールとかの文字のやりとりってのは、
当然相手が見えないわけで、
つまり相手がかも実は定かでない場合が多い。
そこで、男なのに女になりすましたり、
その反対をしてるヤツが現れるってわけだ。

ハンドルネームやメルアドだけで、相手を識別してるんだから、
騙そうという気と文章のセンスがあれば誰でも
性別をスイッチできるのは当然だ〜な。

チャットや掲示板で知り合った女に、気持ち入れ込むのはいいけれど、
思いっきり盛り上がったところで、
相手が実は男だったらまじ笑い話にもならない。

世の中には悪いヤツもいるもんで、
そうやって女になりすまして、やる気まんまんのナンパ男と知り合い、
盛り上げるだけ盛り上げといて最後にどかっとネタばらし。
しかもその間のやりとりをすべてネット上に公開するのが目的の、
悪意のあるネカマもたっくさん存在する。

ジョセフィーヌに宛てたナポレオンのラブレターならいざ知らず、
やる気まんまんのガツガツした口説きメールほど、
人に見られて恥ずかしいものはない。

そうそう、ネカマって一言でくくっている場合がほとんどだけれど、
実はネカマにも色々の種類があるよね。

まずは先程話に出た、悪意のネカマ
騙すのが目的っていうか、誰かをはめる為に女になりすますヤツ。
騙される方もおばかって意見もあるだろうけど、
俺的には騙された方に同情するね。
明日は我が身かもって心配もあるし・・・なはは。

次に、ネットじゃなくてもおね〜な人々。
しいて呼ぶならナチュラル系ネカマ(は?どこがナチュラルじゃ・・・)。
つまりプロアマ問わず普段おね〜やってる人が、
普通にそのままネットにいる場合。
特に悪意なんてない。本人にとっては普段のままなんだから。
俺は普段から別におね〜達には偏見は持ってないんで、
最初から私はオカマですよと言っといてさえくれれば、
俺はそれはそれでいいじゃんと思う。

そんで次には仕事でやってるネカマ。これはキャリア系だな。
本人にはまるでそんな趣味や性癖はないんだけど、
完全にビジネスで女になってるパターン。
有料出会い系サイトのサクラとか、広告目当てのエッチ系メルマガ
女性が差出人のスパムメール

とにかくこれ以外の亜流も含めたら、
ものすごい数と種類のネカマがネットをウヨウヨしてるって事です。

あとさ、ネカマは色々悪く言われることが多いんだけど、
ネナベは別に顰蹙かわないのは、我々男性にとって害がない、
言わば男畜無害な人々だからですかね?
まぁ本物のオナベさん以外、ネナベの場合そのほとんどは、
ネット上で女とみればすぐ寄ってくるウザイ男どもからの
ちょっかいを防ぐ為だろうからな。

そいえば、ネカマ作戦で女をナンパする知能犯もいるらしい。
まず、女としてネットに登場。
そこで女性とメル友になるわけだ。
女性も相手が女なら、わりと気軽にメールやチャットで仲良くなれる。
んで色々なやりとりをしながら、しっかりとその女性の趣味や性格
ついでに男の好みまでを聞き出す。
当然もうメル友やネット仲間としては、女同士意気投合してるわけだから、
そのうちに友達や彼氏を紹介するって話にもっていって、
結局自分で自分を紹介するってわけだ。だはは

人間不思議なもんで、同じ見ず知らずの相手でも、
友達の友達や、友達の紹介だと警戒度がまるで違うのである。
しかも、すでに相手のことは充分に調査済み
話題にはことかかないんで、もう後は簡単なんだってさ。

かくして、今度は男としてさっそうと登場したそいつは、
いいとこだけ持っていくわけである。
しばらくは男女二役わずらわしさも残るが、
相手の女性だっってそこはやっぱ、
彼氏が出来たらそっちに入れ込んでくるんで、
わざわざ女とメル友してる暇なんてなくなってしまう。
んで結局めでたしめでたしって寸法なのだ。

そこまでしてどうして?って思うでしょう?
俺もそれは同感なのだが、とにかくネットは摩訶不思議な世界である。
女なのにネカマのふりしてるヤツ。
ネカマとネナベのメル友カップル。
ネカマのレズ(ホモ?)。
ネナベのホモ(レズ?)。
・・・うわ〜っ、もうわけがわからん。

ではここで、みなさんにとって一番のポイント。
そう、ネカマの見分け方を伝授しましょう。

一番肝心なのは、
「こんなに俺がモテルわけないだろが・・・」という
謙虚な気持ちを忘れないことです。
美味い話にゃ裏がある・・・これは人生の鉄則ですな。

手がかりは、相手のハンドルメルアド
そして文章しかないわけですけど、
自分の欲と思い込みをコントロールして、
あとはちょっとした洞察力を発揮すれば、
かなりの的中率が得られると思います。

まずは普段からをたくさん読みましょう。
女流作家の作品と、男性作家の作品の
文章表現の違いを肌で感じておくことです。
簡単なのは、エロ小説やエロ漫画です。
女の作家と男の作家ではまるで表現が違います。
っていうか、こだわるディテールに違いがあります。

詳しく書くの面倒なんで簡単に言いますが、
は感触や温度や音、つまり全体の皮膚感覚
は視覚、つまりです。

相手の文章が、あまりにも男である自分の視覚中枢にうったえるような、
つまり、自分の頭の中にストレートに絵が浮かんでくるような文章だったら、
たぶんそれはです。

それと本物の女性は、あんまりメールでわざわざ語尾に女言葉を使いません。
あまりにも話言葉のようなメールはたぶんです。
いきなりの露骨なえっち表現や、そそり表現も同様です。
それと単語・・・「25歳の人妻です。よろしくねっ(^ー^)」
こんなのは絶対に男か業者に決まってます。

究極の識別方法はケンカです。
本当に相手を知りたきゃケンカ売るのが一番です。
怒ってケンカする時の思考回路はあきらかに男女に違いがあります。
でも・・・メールやチャットのケンカってじれったいし、グサッとくるし、
だいち、それで再起不能に仲悪くなっちゃたらまるで意味ないです。
くれぐれも、ケンカのさじ加減を間違わないで下さい。(笑)

とにかく身元がどうのこうの言う以前に、
性別に関してさえ本当にわけのわからんネットの世界。

どうか諸君、そのあたりのこと、心してネットサーフして下さい。
では検討を祈る・・・だはは。


-了-


《今月のお薦めサイト》

○ ネカマへの道

○ ネカま道

○ ネカマ裁判

本文でもふれた、ネカマによるナンパ男吊るし上げサイト。
趣味が良いとはけっして言えませんが、
自分がそんな目に逢わない為に参考にしとくべきかもしれません。
もしかして明日は我が身かも・・・と心配になったあなた。
傾向と対策を、しっかりと精進してください。

○ ニューハーフネット

ここはモロなオネ〜さん達の集いの場所です。
興味のある方は、ここでお友達でも見つけてください。
なんたって写真伝言板がおすすめです。

○ Fairy.net

ここはオネ〜さんだけでなく、ゲイやレズの方々も集まってます。
そして驚くべきことに・・・WebマスターはなんとTAKUさんという人です。
念の為に言っておきますが、俺じゃありません。
くれぐれもお間違えのないようにお願いいたします。(笑)

○ ネカマ『丸見え』モンタージュ!

森 綾香さんのサイト“ネットなんぱまにゅある100”の中にある、
ネカマに関する情報ページ。ここで識別法や対策を会得してください。








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