ぶっちぎりインターネット

第13回『いじめロワイヤル 編』




横浜銀蝿『ぶっちぎりINTERNET』DiGi/USER 6月号原稿

《タイトル》

いじめロワイヤル 編

《本文》

いきなりで何なんだが、今回のテーマはちと重いなり。
なんか『ここがヘンだよ日本人』ぽい話題だけど、
かなり以前からマスコミその他でも多く論じられているあの問題。
そう、“いじめ”が、今回のテーマである。

そもそも“いじめ”なんてものは、
おそらく地球上に人類が誕生したころからず〜っとあるもんだとは思うんだけれど、
いやいや、人間だけじゃなく、動物の世界にだってきっとあるに違いない。
そうそう実際俺の飼っていた猫の“ピー”は、
近所にいるいじめっこの“ニャジラ”に、しょっちゅういじめられていた。

そいえばそのニャジラってのが非常にムカツク猫で、
ピーの縄張りであるはずの、いやいや違う、
この俺様の縄張りであるはずの我家の庭を、
まるで自分の庭のように我が物顔してノシノシと歩き回るわ、クソはたれるわ、
しまいには、庭先にあるピーの餌を、大きな顔して食い散らかす始末。

そこまでずうずうしいと、さすがに俺も堪忍袋の緒が切れる。
ある日、また当然のように俺の庭にやってくるニャジラと目が合った時に、
ジャングルの王者なのか、
ここの縄張りがいったい誰のものなのかを指導する為に、
「グァオゥゥゥゥ・・・」と低く唸り、
パラダイスキングTAKU貫禄を見せたつもりだったのだが、
んな威嚇はとも思ってないらしく、まるで動じてないふてぶてしいニャジラ。
俺の顔も、街で人間には通じても、ここいらの猫にはまるで威力がないらしい。

ぁろぉ〜、猫の分際で何だその態度は・・・」

だいちずうずうしいにも程がある。
こうなったら武力行使もやむおえん。

切れた俺は思わずエアガンの威嚇射撃。
ズドドドドドド・・・

あれえちょっと待った。
いじめ問題について正義の立場で講釈をたれるつもりで書いているのに、
俺がよその猫いじめてどうすんだよ。
これじゃ反対に俺が動物愛護団体につるし上げられちゃうんで、話をもとに戻す

とにかく、何人かの人間や動物が集まると、必ずや起こってしまうこの問題。
近所の猫社会はともかく、あちこちの学校職場地域社会のそこらへんで、
もう日常的にビシバシ行われているその“いじめ”に、今回はメスを入れようと思う。

でもまず結論から申し上げる。
みんなおのおの各自、自分で責任もって己を守りましょう!

そもそも、いじめらんないように自分の身を守るのは
生き物として当然の必須科目なのだ。
それができないヤツは食われるだけだ。

やり方はそりゃ各自色々でいいと思う。
キャラ腕力体格もそれぞれ違うんだから。
やられる前にやっちまうって手もあるだろうし、うまく逃げるって手もあるだろう。
貫禄でそんなの寄せつけないってヤツもいれば、
相手に迎合して事なきを得るってヤツもいるだろう。
強いヤツの庇護を受けるのもありだし、集団で群れるのも有効かもしれない。

そういうのはみんな、俗にいう“処世術”って部分なんだろうとは思うけど、
やっぱそれぞれが自分なりのやり方で、
そうやってトラブルから身を守るのは生きるって事基本だと思う。

最初から誰も守ってくれないってのが世の中なのだ。
学校?先生?警察?法律?
どれもこれも本当にせっぱつまった場面じゃ役に立たない
まさにこの世は理不尽不公平なのだ。
全然平等でもなければ、安全でもない。

「なんで僕ばっかこんな目にあうの?」
「どうして俺ばっかこんな思いをするんだ?」
そう嘆いている方々に、今あえて私が答えてあげましょうか?
それは・・・お前が自分を守れていないからだ!

な〜んて、でもこう言っちゃたらみもふたもないし、
話もこれで終わってしまう。

実際にいじめにあっているヤツだって、
んなこたぁわかっているんだとも思う。

だけど、きれいごとでまとめてもしかたないんで、
本音を言っちゃうとさ、
結局やっぱ、強くなるしかないんだよ。
なめられたら終わる、それがすべてだと思う。

とかいっても挌闘技習うとか、怒鳴る練習するとか、
スタンガン買い込むとかじゃなくて、まずはメンタルタフネス
もちろん腕力や体力に自信があった方がいいには決まってるけど、
その前に一番大事なのは、男としての誇りと、打たれ強さだと思う。

でも俺はね、時には(←ルビ:こぶし)に訴える事も必要だと思うよ。
やっぱなんだもん、やるときゃやろうぜ

ケンカが弱かろうが強かろうが、この際関係はない
たとえそん時にボコボコやられちゃったって、
一度大暴れして「なめたらあかんぞこら」って気迫だけは、
しっかり相手に伝えておくべきだ。
ハブにすんならしろよ。よってたかってタコにすんならしよろ。
でもな、お前らもそれなりの覚悟して、腹くくってやれよな。
俺はな、やられた事はどんな事したって絶対にやり返すかんな。
そこん所だけは忘れんなよ。」
言葉に翻訳すんならこんな気迫だ。

人間関係はとても難しい。
でも結局最後はパワーゲームだ。

無理に虚勢をはって生きていく必要はないけれど、
自分っていう人間に誇り自信を持って、
たとえ相手がどこの誰であろうと
しっかりと真正面から相手の眼を見ながら向かい合える
そんな生き方をしようではないか。

-了-


《今月のお薦めサイト》


○ 校長先生お願いです

“いじめ”関連のサイトと言ったらまずここでしょう?
“和歌山いじめ告発問題”として、前にだいぶ話題になったサイトです。
この主催者の山田さんのやり方の賛否はさておき、
いかにこのいじめ問題が、やっかいなものでありかが実感できます。
出来事とその後の経過は、アクセスして読んで下さい。

○ 和歌山いじめ告発問題ダイジェスト』

そして、上のサイトの山田さんを発端とする一連の騒動の概要は、
このサイトをどうぞ。

○ ユートピア

大畑さんという中学校の先生の個人サイトです。
和歌山事件に出てくるような、見て見ぬふりの先生もいるだろうけど、
こうやって“いじめ問題”に真剣に取り組もうとしている先生もいます。

○ いじめ

東大の大学院で研究している内藤さんのサイト。
被害者だけでなく、いじめっこからの体験談もあります。








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